2013年5月10日金曜日

林さん 5月10日 甲子園球場の打席



まず感想を書きます。

1)ヘッドの抜けが悪いので振れていないように見える。

2)打席の内容と雰囲気は他の選手と一味違った感じが有る。

3)ただ、スイングそのもので魅せる事が出来ていないので、特に目立ってはいなかった。(両チーム合わせて2,3人目立って振れている選手がいて、その次のクラスで及第点的に振れている選手が大勢いる、その中の1人と言う感じだった。)

4)構えの大きさにスイングがついていっていないので、まだ「構えだけメジャー打法」のように見えてしまう。(投手に例えると脚の挙げ方だけメジャー式みたいな感じ)試合でも、ラボで出来ているようなスイングが出来ないとスカウトにアピール出来ない。

5)あまり空振りも無く、しっかりした内容の打席が作れているので、その点は安心した。これだと、ここから技術を向上する事に集中出来る。

と言う感じです。

例えば、今日始めて林さんを見た人(スカウトなり社会人野球関係者なり)がどのように見るだろうかと言うのを想像で書いてみると、以下のような感じだと思います。

「オッ凄い構えの選手がいるな。どんなスイングをするのだろうか。うーん、意外と普通のスイングだな。でも、メジャー型のステップの小さいフォームだし、動きが小さいので、ボールをよく見ている感じが有るし、じっさい中々しぶとい打席を作っているじゃないか。もうちょっと振れて来ると良いんだけどな。」

と言う感じだと思います。

つまり

構えを見て注目度アップ→スイングを見て(普通なので)ややトーンダウン→打席内容を見て地道に再評価

といった感じ方になると思います。ですから、やはり後はスイングですね。

次に、技術的に気になった部分を挙げます。

まず、やはり少しスタンスが広すぎます。これでは内転筋やハムストリングスの内側が緊張してしまい、腰の回転が悪くなるので、それがヘッドの抜けの悪さに繋がっているのだと思います。もうあと、横に一足分くらいは狭い方が良い(青の位置)でしょうね。


ネクストサークルでのウォームアップなどで股を割って下半身に負荷をかけ、筋肉を一度効かせておいて、その感覚が残ってる状態で打席ではもう少し楽に立った方が良いです。これもコツの一つです。大雑把に言えば元阪神の城島が打席に入る前に屈伸して素振りするのも同じ理屈です。ウォームアップで下半身の筋肉を効かせてをおき、打席では楽に立つ。これがコツです。つまりストレッチで内転筋やハムストリングスに刺激を与えておき、それらの筋肉が活性化している状態を作れば、打席内ではもう少し楽に立ってもハムストリングスや内転筋の力が使えるということです。

ストレッチの順番としては以下の順番が良いでしょう。

1)腰を反って腸腰筋をストレッチ
2)股割り(ストレッチした腸腰筋が効くので股割りがやりやすい。)
3)股関節を内に捻る(開いた股関節を閉じる意味。)

次に、前脚の膝と爪先が、構えからやや開き過ぎなので、もう少し閉じて、捻りの効いた構えにした方が良いです。つまり,捻りを利用して前軸に図のようなラインを作り、後ろ脚股関節を割るということです。そうすると内転筋も緊張しにくく、楽に構えられてヘッドの抜けも良くなります。

内容を整理してまとめておくと、以下の通りです。

1)スタンスが広すぎる上に脚がハの字型に開いてヘッドの抜けが悪くなっているので、もう少し狭くすると同時に捻りを入れた方が良い。(前脚の向きも含めて)

2)ウォームアップでしっかりと下半身の筋肉を効かせておけば、打席では比較的、楽に立ってもハムストリングスの力は充分に使えるし、その方が振り抜きが良くなる。

※)ストレッチは静的にギューッと引っ張ると発揮出来る筋力が弱るので、少しで良いので小刻みに動かした方が良い。

以上です。

最後に、自分が監督になった立場で考えてみると、もっと振り抜きが良くなってヘッドが気持ちよく抜けて行くスイングを試合の中で安定して見せてくれたら、絶対外せないメンバーになれると思います。(良い打席は作れているので)その辺を練習で見せて行くのも手かなと思います。例えば、本文で挙げた下半身ストレッチ後に打つと言う事も練習で試してみて下さい。