2015年5月19日火曜日

STEP11 シャドーピッチング

 シャドーについては「BPL理論とは」の中の記事でも書きましたが、BPL理論では打撃における素振りのような感覚でシャドーピッチングに取り組んでもらいます。その方法は具体的には以下の通りです。受講までに事前プログラムの内容をシャドーピッチングで身体に覚え込ませておいてください。

1)タオルを持たない
2)グラブをはめる
3)全力で動作する
4)標的となるポイントを見つめる
5)平地で行う

動画=BPL式シャドー実践例


※)なぜ平地で投げるのか

 ピッチャーの多くが「マウンドで投げなければピッチングの練習では無い」と思っているようですが、それは違います。平地で投げる事があくまでも基本であり、マウンドからの投球と言うのはあくまでもその応用に過ぎないと言ってもいいくらいです。そもそも平地で投げる動きと斜面で投げる動きのどちらが人間にとって自然な動きであるかと考えると、言うまでもなく平地で投げる方が自然である事が解ります。
「斜面(マウンド)で投げて崩れた動作を平地で投げて修正する」と考えるくらいで丁度良いでしょう。平地での「立ち投げ」は投球動作の根幹を作る重要な練習で、これを単なるのウォーミングアップのキャッチボールと考えているようでは駄目です。

 それでは、そもそも何故マウンドには傾斜が有るのか。下の写真を見てください。


 マウンドに傾斜が有る事で、そこから投じられたボールはやや下向きに投げ下ろされる事になります。こうすると本来平地で投げれば相手の胸あたりに届くボールが丁度ストライクゾーンに集まります。キャッチボールで相手の胸に投げろと言われるのは、キャッチボールくらいの距離であれば相手の胸あたりに投げると一番良い球がいくからです。これは投捕間の距離でも同じ事です。つまり一番良い球をストライクゾーンに入れるための装置、それがマウンドなのです。
 以上のように考えると、平地での投球練習ではどこに投げれば良いのかと言う事が解ります。つまりそれはストライクゾーンでは無く相手の胸あたりです。平地でキャッチャーを座らせて練習している投手をタマに見かけますが全く意味の無い事です。シャドーでも胸のあたりを見て投げるようにしましょう。

 ちなみにシャドーピッチングはアスファルトの上でも出来る手軽さも長所です。この時、普通にスニーカーを履いて行うと、すぐに軸足の爪先が削れて駄目になってしまうので、下の写真のように粘着テープを巻いてスニーカーの地が出て来たら巻き直すようにすると良いでしょう。