2017年2月14日火曜日

BPL式バッティングでは下半身が使えない?

自社広告
http://bplosaka.blogspot.jp/2017/06/blog-post_10.html

 動画を見てください。これがBPLで主に教えている打ち方で、正確にはパンチャータイプのオートマチックステップと言えます。



 これらの動画を見て、衝撃を受けたという感想が有ると同時に、常に一定の割合で「下半身が使えていない」「(下半身を使えないので)上半身の筋肉が相当強く無いと出来ない」という感想を頂きます。はたしてどうなのでしょうか。

ブログトップページの動画に寄せられたコメント


 ところで、あらかじめトップの位置で構えてほとんどノーステップ(実際にはステップはある)で打つというのは、外国人選手の打ち方のようでもありますね。下の動画を見てください。これがBPL理論で目指しているバッティングです。



 これは、一時期キューバ打法として、さかんにメディアで採り上げられていた打ち方でもあります。



 しかし、そうした外国人選手の打ち方に対しても「上半身の力に頼った打ち方。凄い筋肉が有るから出来る」という解説が良く聞かれます。本当にそうなのでしょうか。

 パンチャーのオートマチックステップは「構えた位置からテークバックや重心移動など、一切の準備動作を取らずに、瞬発的にバットを出して一瞬で振り抜く」という意識で行われます。



 ところが実際には、この時、つまりバットを瞬発的に加速しようとした瞬間に下半身が無意識下で力を発揮して、重心移動がオートマチックに発生し、その結果、いわゆる「割れ」もオートマチックに発生します。

 この現象は科学的にはAPA(Anticipatory Postural Adjustments)という用語を使って説明出来ます。



 下図は、腕を瞬発的に挙上しようとした瞬間、実際には下半身と体幹の筋肉が先行して力を発揮する様子を示しています。



 例えば下の選手は一こま目の状態から直接ドッジボールを投げようとした結果、APAによる下半身出力が無意識下でオートマチックに発生し、その結果として「割れ」がオートマチックに発生しています。選手に伝えたのは「テークバックや重心移動などの準備動作を利用せずに、構えた位置から瞬発的に大きな力を発揮して思い切り投げろ」ということです。



 現状では、APAは姿勢を制御するために発生する現象であると説明されていますが、私はこの現象が、上記のように目的動作と反対方向の動作(つまりテークバック)を無意識下で瞬間的に発生させ、目的動作の威力を高める役割を果たしていると見ています。

 つまり、

 構えた状態から(意図的な)重心移動やテークバックなどで、いかにも下半身を使っていますよ的な動きを取らなくても、このAPAという現象を利用する事が出来れば、下半身は充分に使えるのです。

 言い換えると、

 「構えた位置から、瞬発的に力を発揮して、直接バットを加速しようとすれば、ステップ、テークバック、体重移動などの準備動作はオートマチックに起きる」と言う事なのす。

自社広告 http://bplosaka.blogspot.jp/2017/06/blog-post_10.html

 しかし。。ここからが重要な所です。

 普段、脚を挙げたり大きな体重移動を利用して打っている人や、股関節、下半身の力を上手く利用出来ない人がパンチャーのオートマチックステップを行うと、APAを上手く利用する事が出来ず、実際にも下半身を使えない打ち方になってしまうのです。

 そして、実際にもほとんどの人がまずこの段階を経過します。つまり「意図的に下半身を使っていた打ち方」から「意図的には下半身を使わない打ち方」にチェンジした結果、単純に(下半身を使わないという)引き算だけが起こってしまい、パワーダウンしてしまうのです。

 これには2つの理由があります。

 まず第一に、今までパンチャーのオートマチックステップのような、いわばノーモーション打法的な打ち方をやってこなかったから、身体がまだその出力形式に馴染んでいない。という事が言えます。

 次に第二に、特に日本人(アジア系)の場合、黒人や白人に比べて骨盤が後傾気味で、ハムストリングスの力が上手く使えないという点が挙げられます。(外見的にはお尻が扁平でヒップアップしていない)

(写真)ヒップアップした黒人特有の体型


 つまり、実は日本人はむしろ下半身を使う事がある意味で苦手なのです。だからこそ、ことさらに腰を落として下半身に負荷をかけたり、如何にも下半身を使ってますよと言わんばかりに脚を使って重心を大きく移動されるような動作形態が推奨され、「下半身を使う」という事がことさらに強調されて来たと考えられるのです。

(写真)腰を落として下半身を使うという思想は日本文化に深く根付いている。


 ですから、オートマチックステップの動作形態によってスイングを繰り返しつつ、BPL式の股関節トレーニングを重点的に取り組んで、行けば、APAによる始動時の下半身出力は強くなっていきます。

 私がこれまでにYOUTUBE等にアップしてきた動画には、確かに、こうした観点から見て「発展途上」の下半身が使えていない実践者のスイングも含まれています。下の動画などは、その典型的な例です。ほぼ例外無く全ての選手がこの状態からスタートします。

ビフォー動画

 しかし、下の動画を見てください。上の動画の2人が二年近くBPL理論に取り組んだ結果のアフター動画です。

アフター動画

 ビフォーでは前述の「引き算」の状態が起こっており、始動時の下半身の出力が非常に弱く、その結果ほぼ腕だけで振ってるに等しい状態になっています。

 ところが、アフターでは「パンチャーのオートマチックステップによる徹底した振り込み」と「BPL理論に基づいた股関節トレーニング」を行った結果、始動時の下半身出力が満足の行く強さにまで向上しています。

 長期間に渡って取り組んでいても、股関節トレーニングを軽視した結果、始動時の力が中々向上しないケースもありますが、彼等には実際に繰り返し実地指導を行う中で、私が直接この事の重要性を繰り返し説いてきたため、このような結果が得られたのです。

 重要なポイントですが、パンチャーのオートマチックステップでは始動時の下半身出力が強く得られなければ、単なる手打ちになってしまいます。

 つまり、意識的に下半身を使わないぶん、無意識下で発揮される下半身の力を有効に使う事が重要になるのです。

 そして、それが出来れば、オートマチックステップでは脚を挙げて打つよりも大きなパワーが発揮出来ます。この事が実感出来た時に、始めてオートマチックステップがマスター出来たと言えるのです。

 ここからがさらに重要なポイントです。

 考えれば誰でも解る事ですが、実戦の中で打撃の精度を挙げるためには、出来るだけ無駄な動きを取りたくありません。

 極論すれば、ステップもテークバックも重心移動も無しで、構えた位置からそのままバットを出せれば理想的なはずです。実際にMLBにはそういう感じの打ち方の打者が数多くいます。

 ところが日本人には脚を大きく挙げて打つ打者が非常に多く、この事は世界の野球関係者達の間でも話題になっています。


 
 『構えた位置から何の準備動作も取らずにいきなりバットを出すだけでは下半身の力が使えない。だから、ステップしながらテークバックして、弓を引き絞ってからその力を解放させるようにして打つ。』これが従来のバッティング理論でしたね。



 上のイラストは阿部慎之介ですが、早実の清宮なんかはまさにそのタイプの典型例であり、また優等生であると言えるでしょう。(BPL理論では、そうした打法を何も完全否定しているわけではありません)



 ところがBPL理論で理想的と考えるパンチャータイプのオートマチックステップでは、構えた位置からそのままバットを出すだけで、実際には下半身が無意識下で出力し、その力を有効に活用出来るのです。



 つまり。。。

 このまま大きく身体を動かして下半身を使う従来の日本式の打ち方を続けていくか、それとも「構えた位置からそのままバットを出すだけ」のシンプルかつコンパクトな打ち方で、下半身の力を使えるようになるか?

 どちらが良いかは明白ですね。構えた位置から一切の無駄な動きを取らずに、そのままバットを出して、なおかつ下半身の力が使えれば、それこそが正に理想的な打ち方なのですから。

 そして、BPL理論では、オートマチックステップの中で、始動時の下半身出力を高める方法がメソッド化されています。

 ぜひとも、パンチャータイプのオートマチックステップをマスターして、理想の打撃を身につけてください。

自社広告 http://bplosaka.blogspot.jp/2017/06/blog-post_10.html